妊娠と出産の現実。死産を通して得ることとは
こんにちは。
チャイルドトレーナーみゆきです!!
今回は赤ちゃんの生と死についてお話ししたいと思います。
私みゆきは色んなお産に立ち会いをしてきました。
私みゆきが立ち会いをする時は、赤ちゃんかお母さんに何か異常があって、何らかの処置を赤ちゃんにしなくては行けない時が多いのです。
なので、もちろん小児科の先生が一緒の事が多いです。
生まれてすぐに赤ちゃんに酸素を送るチューブを入れなければいけないこともあります。
今回はその中でも、私みゆき1人で立ち会った時のことをお話ししたいと思います。
これは死産の話になります。
私みゆきが、このご夫婦に関わらせていただいたのは、妊婦さんが妊娠高血圧で、妊婦検診時に赤ちゃんの心音(お腹の中の赤ちゃんの心拍のこと)が不安定であるため、妊婦さんを入院させると報告を受けたことがきっかけでした。
ご挨拶をさせていただいた時は、お二人とも笑顔で迎えてくださいました。
ゆったりとしていただき、今回のお話を聞きながら、赤ちゃんの心音とお腹の張りを確認する機械をつけている時、いきなり赤ちゃんの心音がゆっくりになりました。
この機械は、ナースステーションのモニターに繋がっており、産婦人科の先生や助産師、看護師がいつでも確認できるようになっています。
私はとても焦りました。
普通であれば聞こえるはずのないゆっくりとした音。
妊婦さんの心拍をとっているの?
いや、それにしても遅すぎる。
この時、ナースステーションにいた産婦人科の先生がお部屋に走ってきました。
心拍の確認を再度しながら、処置を行いましたが、なかなか赤ちゃんの心音が戻ってきません。
この時の1分は時が止まった様でした。
すぐに緊急手術の手配になりました。
その間も赤ちゃんの心音は戻ったりゆっくりになったりを繰り返し。
NICUスタッフは呼吸器を準備したり、赤ちゃんが生まれてきてからの救命処置の準備をしています。
手術室には私みゆきとベテランの小児科の先生が向かいました。
赤ちゃんをお腹から取り出し、すぐに救命処置。
赤ちゃんからの産声は聞こえず、赤ちゃんらしからぬ色。
心臓マッサージと挿管による蘇生を繰り返しましたが、赤ちゃんは産声をあげることも、呼吸をすることもありませんでした。
普段であれば保育器に赤ちゃんを入れてNICUまで連れていくのですが、今回は私みゆきがバスタオルに包んで抱っこして連れていくことになりました。
NICUに戻って、温かいお風呂で赤ちゃんを綺麗にして手術から帰ってきたお母さんとお父さんのもとへ。
この瞬間がなんとも言えない気持ちになります。
でも、私たちは一緒には泣けない。
産婦人科の先生と小児科の先生からご夫婦に説明がされます。
そのあとは、家族だけの時間をもってもらう。
ここからの関わりは、助産師にバトンタッチになります。
年に数回経験することですが、いつも思います。
助けられた命であったのではないかと。
これは予期できて予期できぬ出来事です。
妊娠は病気ではありません。
でも病気を併発することもあります。
いつもいつも安全なお産ばかりではありません。
だからこそ、沢山の人の手助けや気づきが必要です。
このご夫婦の退院の時にお見送りをさせていただきました。
その時に言っていただいた言葉は、私みゆきの中にとても強く残っています。
この子は、私たちの所に来てくれて、家族を味あわせてくれました。
この子がいないのは、とても悲しいことですが、私たちを親にしてれました。
この経験も、私たちには必要であったのだと思います。
言葉にならないくらい悲しいです。
でも、この子が教えてくれたことや与えてくれたことを忘れずに生きていきます。
死産は言葉にならないくらいの悲しみと絶望に苛まれます。
時間と年月をかけて少しずつ、想いの形を変えていきます。
私たち医療者も同じです。
だからこそ沢山の想いを、一緒に話をして、一緒に考えて感じていきたい。
妊娠や出産にある何かのメッセージをしっかりと受け取るために。
この記事へのコメントはありません。